こんな方におすすめ
- 防災用に車中泊を考えている人
- 趣味と防災を兼ねたアウトドアを考えたい人
- 車中泊の現実的な不便さを知りたい人
車中泊という言葉には、どこか自由で楽しいイメージがあります。
好きな場所へ行き、車の中で寝て、朝は景色のいい場所でコーヒーを飲む。
SNSでは、そんな綺麗な車中泊ばかりが目に入ります。
しかし、実際の車中泊にはもう一つの顔があります。
それは、帰れないから仕方なく車で寝るという現実です。
私は離島に住んでいた時、船が止まると移動できなくなる環境を経験しました。天候次第で予定が崩れ、場合によっては車中泊が現実的な選択肢になることもあります。
さらに今は軽貨物ドライバーとして、田舎道、山道、狭い道、夜の暗い地域を日々走っています。
その経験から言えるのは、車中泊は趣味として楽しむものと、避難・緊急時に使うものでは、まったく意味が違うということです。
趣味の車中泊は選べる。避難の車中泊は選べない
趣味の車中泊は、自分で場所を選べます。
天気の良い日を選べる。
道の駅やキャンプ場を選べる。
寝具も食料も準備できる。
暑ければ行かない、寒ければ中止する、疲れていればホテルに泊まる。
つまり、逃げ道があります。
しかし、避難としての車中泊は違います。
災害、悪天候、船の欠航、道路の通行止め、停電、家に戻れない状況。
こうなると、車中泊は楽しみではなく、一時的な生活になります。
場所を選べない。
天気も選べない。
体調も選べない。
周囲の環境も選べない。
この違いはかなり大きいです。
特に田舎や離島では、移動手段が限られます。
船が止まる。
道路が塞がる。
夜になると店が閉まる。
コンビニまで遠い。
人通りも少ない。
こういう環境では、車が一時的な避難場所になることがあります。
だからこそ、車中泊は「遊び」としてだけでなく、「もしもの時の避難手段」として考えておく必要があります。
車中泊で本当にきついのは寝ることではなく、環境の悪さ
車中泊というと、多くの人は「車の中で寝られるかどうか」を気にします。
もちろん寝心地は大事です。
シートの段差、マットの厚み、毛布、枕。
このあたりは重要です。
しかし、実際にきついのは寝ることだけではありません。
暑さ。
寒さ。
結露。
湿気。
トイレ。
音。
明かり。
防犯。
スマホの充電。
食事。
体を伸ばせない疲労感。
このあたりが地味に効いてきます。
特に夏場の車中泊は危険です。
車内は熱がこもります。
窓を開ければ虫が入る。
閉めれば暑い。
エアコンを使えば燃料やバッテリーが気になる。
冬は冬で寒さが問題になります。
寝袋や毛布が不十分だと、まともに眠れません。
また、湿気と結露もかなり厄介です。
朝起きると窓がびっしょり。
寝具も少し湿っている。
車内に湿気がこもる。
これはアウトドア用品の劣化にもつながります。
趣味の車中泊なら、多少不便でも笑い話になります。
でも避難時の車中泊では、その不便が体力とメンタルを削ります。
車中泊は道具よりも段取りが大事
車中泊用品はたくさん売られています。
マット、寝袋、ランタン、ポータブル電源、目隠し、収納ボックス、テーブル、調理器具。
もちろん道具は大切です。
しかし、実際には道具以上に段取りが大事です。
どこで寝るのか。
トイレは近くにあるのか。
水はあるのか。
スマホの充電はできるのか。
車内をどう片付けるのか。
荷物をどこに移動するのか。
寝る前に何を準備しておくのか。
朝起きた後にどう動くのか。
この段取りができていないと、どれだけ高い道具を持っていても疲れます。
私自身、軽貨物の仕事をしていると、荷物の積み方や動線の大切さを毎日感じます。
車の中は限られた空間です。
そこに荷物、人、寝具、仕事道具、非常用品が入ると、想像以上に狭くなります。
何をどこに置くか。
すぐ使う物をどこに置くか。
濡れた物と乾いた物をどう分けるか。
これを考えずに車中泊をすると、車内が一瞬でぐちゃぐちゃになります。
車中泊は、道具を買えば完成ではありません。
車内をどう使うかという設計が必要です。
防災目線なら車中泊は一度試しておくべき
防災用品を揃えている人は多いです。
しかし、実際に使ったことがある人は意外と少ないです。
車中泊も同じです。
マットを買った。
寝袋を買った。
ポータブル電源を買った。
でも、一度も車で寝たことがない。
これでは、いざという時に使いこなせません。
実際に一晩寝てみると、いろいろな問題に気づきます。
思ったより背中が痛い。
足が伸ばせない。
窓の目隠しが甘い。
朝方に冷える。
ライトの位置が悪い。
荷物が邪魔。
スマホの充電が足りない。
トイレの場所が気になる。
こういうことは、実際にやらないと分かりません。
だから、防災目的で車中泊を考えるなら、一度は安全な場所で試しておくべきです。
本番で初めてやるのは危険です。
防災は、道具を持っていることではなく、使える状態にしておくことです。
まとめ
車中泊には、楽しい面があります。
自由に移動できる。
宿泊費を抑えられる。
景色の良い場所で朝を迎えられる。
アウトドア気分も味わえる。
しかし、それはあくまで準備された趣味の車中泊です。
災害時、悪天候時、離島や田舎で移動手段が止まった時の車中泊は、まったく別物です。
そこには不便さ、疲労、湿気、寒暖差、トイレ問題、防犯、メンタルの消耗があります。
だからこそ、車中泊はレジャーとしてだけでなく、防災・避難の視点でも考える必要があります。
大切なのは、高い道具を揃えることではありません。
一度試すこと。
自分の車で寝られるか確認すること。
必要な物と不要な物を知ること。
車内の動線を作ること。
そして、いざという時に慌てないことです。
車中泊は、自由な遊びにもなります。
同時に、有事の時に自分を守る手段にもなります。
この両方を理解している人ほど、本当に強いアウトドアの使い方ができます。
こんな人におすすめ
- 車中泊を始めたい人
- 離島や田舎で暮らしている人
- 災害時の避難手段を増やしたい人
- 道具だけ買ってまだ試していない人