こんな方におすすめ
- キャンプ用品を買いすぎていると感じる人
- SNSの写真を参考に道具を選んでいる人
- 設営や撤収に時間がかかって疲れている人
キャンプ用品を調べると、実用性だけでは説明できない道具が数多く見つかります。
木製の小さなラック。
アンティーク風のランタン。
食材を入れるには使いにくいかご。
地面に敷く柄物のラグ。
何も入っていない収納箱。
調理にはほとんど使わない食器。
テントの周囲へ並べるだけの小物。
写真で見ると非常におしゃれです。
統一された色のテントやテーブルに、木製の道具と暖色の照明が並ぶ。料理もきれいに盛り付けられ、
自然の中に小さな部屋を作ったような空間が完成します。
その写真を見て、「自分もこのようなキャンプをしてみたい」と思う人もいるでしょう。
しかし、実際のキャンプでは、道具を持っていくだけでは終わりません。
車へ積む。
キャンプ場まで運ぶ。
設営する。
汚れない場所を考える。
風で倒れないように固定する。
写真を撮る。
撤収する。
帰宅後に洗い、乾かし、保管する。
写真の中では数秒しか使われない道具でも、現実では長い時間と労力がかかります。
キャンプは、自然の中で過ごすためのものです。
ところが、写真を完成させるための道具が増えるほど、設営、配置、撮影、片付けに追われ、自然を見る時間が減っていきます。
この記事では、写真を撮るためだけのキャンプ用品が増える理由と、おしゃれさを追求することで失われる時間、
道具を選ぶ際に本当に重視したい基準について考えます。
目次
1.写真では必要に見えても、キャンプ中にはほとんど使わない
キャンプ用品の中には、写真の中では重要な役割を持っていても、実際の宿泊ではほとんど使われないものがあります。
例えば、テーブルの横に置かれた木製ラックです。
写真では、調味料、マグカップ、ランタン、小さな植物などがきれいに並び、キャンプサイト全体をおしゃれに見せています。
しかし、実際にはラックがなくても、調味料や食器は収納箱やテーブルへ置けます。
むしろ、屋外では風や傾斜によって物が落ちる可能性があります。
雨が降れば木材がぬれ、泥が付けば掃除も必要です。
装飾用のランタンも同様です。
照明として十分な明るさがなく、実際の作業には別のLEDライトが必要になることがあります。
つまり、写真ではランタンが主役でも、料理や片付けを支えているのは、目立たない実用品です。
ラグも、おしゃれキャンプではよく使われます。
テントの前やテーブルの下へ敷けば、生活感が減り、室内のような雰囲気になります。
しかし、土、砂、草、食べこぼし、炭などで汚れます。
雨が降れば重くなり、帰宅後に洗って乾かす作業が必要です。
寒さ対策や地面からの湿気を防ぐ目的があるなら意味があります。
一方、写真の背景として敷いているだけであれば、持ち運びと片付けの負担の方が大きくなることがあります。
木製の食器やカッティングボードも人気です。
自然の中で木製品を使うと、金属やプラスチックより柔らかい雰囲気になります。
しかし、油やソースが染み込みやすく、洗った後に乾燥させる必要があります。
家庭用の食器より扱いに気を使い、落としたり湿ったまま保管したりすれば、傷みやカビの原因にもなります。
もちろん、おしゃれな道具を持つこと自体が悪いわけではありません。
気に入った道具を使うことで、キャンプへ行く楽しみが増えることもあります。
問題は、その道具が自分のキャンプに本当に必要なのか、それとも写真の中で必要に見えただけなのかを区別しないことです。
買う前には、その道具を写真撮影以外で何回使うのかを考えるべきです。
収納、調理、照明、防寒、安全など、具体的な役割が説明できないのであれば、キャンプではなく撮影セットの一部になっている可能性があります。
2.道具が増えるほど、自然より設営と撮影を見る時間が長くなる
おしゃれキャンプでは、テントを張れば設営が終わるわけではありません。
テーブルと椅子の位置を決める。
ラックを組み立てる。
収納箱を並べる。
食器や調味料を見える位置へ置く。
ランタンを複数配置する。
ラグを敷く。
小物の向きを整える。
写真に余計な袋やケースが写らないように隠す。
こうした作業が加わります。
道具が少ないキャンプであれば、テント、寝具、テーブル、椅子、調理器具を出せば、比較的早く休めます。
しかし、写真映えを意識したキャンプでは、機能的には設営が終わっていても、見た目が完成するまで作業が続きます。
さらに、設営後には撮影があります。
明るいうちに全体を撮る。
料理を食べる前に撮る。
夕方のランタンが点灯した様子を撮る。
焚き火がきれいに見える角度を探す。
翌朝も、朝食やテント周辺を撮る。
写真を残すこと自体は、思い出になります。
しかし、撮影のために料理が冷めたり、焚き火を見ずにスマートフォンの画面を確認したりするようになると、
何を楽しみに来たのか分からなくなります。
自然は、写真の背景ではありません。
風、気温、匂い、鳥の声、火の暖かさなど、画面には残せないものを感じる場所です。
ところが、完成したキャンプサイトをSNSへ投稿することが目的になると、自然そのものより、自然の中に置いた道具へ意識が向きます。
隣のキャンパーよりおしゃれに見えるか。
人気ブランドの道具が写っているか。
色が統一されているか。
生活感のある物が隠れているか。
このようなことを考える時間が増えます。
結果として、キャンプ場へ来ているのに、見ているのは景色ではなくスマートフォンの画面です。
おしゃれな空間を作ることが趣味であれば、それもキャンプの楽しみ方の一つです。
ただし、「自然の中でゆっくりしたい」と考えている人が、SNSの写真を真似して道具を増やすと、目的と行動が矛盾します。
休むために来たのに、設営と撮影で疲れる。
荷物を減らしたいのに、装飾品を積み込む。
自然を感じたいのに、配置ばかり気にする。
この矛盾に気づかなければ、キャンプはどんどん大がかりになります。
3.写真用の道具は、撤収時に最も邪魔になる
キャンプ用品を選ぶとき、多くの人は設営後の姿を想像します。
テントの前に道具を並べ、料理を作り、焚き火を眺めている場面です。
しかし、実際に道具の価値が分かるのは、楽しい時間が終わった後です。
撤収時には、疲れています。
前日の設営や睡眠不足によって、体力が残っていないこともあります。
チェックアウト時間が決まっているため、ゆっくり片付けられるとは限りません。
雨が降っていれば、道具はぬれています。
地面が泥になっていれば、テントや収納箱だけでなく、装飾用の道具まで汚れます。
このとき、写真のために持ってきた道具も、一つずつ片付けなければなりません。
ラックを分解する。
ランタンをケースへ戻す。
ラグの砂や草を落とす。
食器を洗う。
小物をなくさないように確認する。
木製品をぬれたまま収納しないように拭く。
設営時には楽しかった作業も、撤収時には負担になります。
特に、小さな道具が多いと、忘れ物も増えます。
ペグやロープだけでなく、装飾用のフック、カバー、スタンド、小型ライトなどを探さなければなりません。
写真では、道具が多いほど豊かに見えます。
しかし、撤収では、道具が多いほど作業が増えます。
さらに、車へ積み込む順番も考えなければなりません。
大きなテントやテーブルだけなら、ある程度配置を決められます。
しかし、収納箱、ラック、ラグ、食器、ランタン、小物が増えると、荷室が埋まります。
後方の視界を妨げたり、急ブレーキで荷物が動いたりすれば、安全面にも影響します。
帰宅後も終わりではありません。
汚れた物を車から降ろす。
ぬれたテントやラグを乾かす。
食器を洗い直す。
木製品の湿気を取る。
電池やライトを確認する。
次回まで保管する場所を作る。
写真を撮るためだけの道具であっても、実用品と同じように管理が必要です。
その道具を写真に数回使うために、毎回どれだけ運び、洗い、乾かし、収納するのか。
購入前に撤収と帰宅後まで想像すると、必要性の判断は変わります。
4.キャンプ用品の価値は、一つで何役できるかで決める
キャンプの道具は、数を増やすほど快適になるとは限りません。
むしろ、一つの道具が複数の役割を持つ方が、荷物を減らしやすくなります。
収納箱を椅子やテーブルとしても使う。
ランタンをテント内、食事、夜道の照明に使う。
毛布を防寒だけでなく、敷物や荷物の保護にも使う。
調理器具をそのまま食器として使う。
このような道具は、写真の中では地味かもしれません。
しかし、現場では役立ちます。
道具を選ぶ際には、「おしゃれかどうか」だけでなく、次の点を確認した方がよいでしょう。
実際に何へ使うのか。
使用頻度は高いか。
別の道具で代用できないか。
折りたたんだときに小さくなるか。
汚れても簡単に洗えるか。
ぬれても傷みにくいか。
撤収が簡単か。
家庭や防災でも使えるか。
この条件を満たす道具であれば、持っていく価値があります。
反対に、見た目以外の役割がなく、壊れやすく、かさばり、手入れにも時間がかかる道具は、キャンプへ行く回数が増えるほど使わなくなる可能性があります。
最初は写真を撮るために毎回持っていっても、やがて面倒になり、家の収納を占領するだけの物になります。
おしゃれさを完全に否定する必要はありません。
色や素材をそろえた道具でも、実用性が高ければ長く使えます。
大切なのは、実用性のある道具をおしゃれにそろえることであって、おしゃれに見せるためだけに役割のない物を増やすことではありません。
キャンプの写真は、一瞬です。
道具の運搬、設営、使用、撤収、保管は、その何倍もの時間続きます。
長い時間に役立つ物を優先する方が、キャンプ全体の満足度は高くなります。
5.SNSで評価されるキャンプと、自分が楽なキャンプは違う
SNSでは、道具が多く、統一感があり、生活感のないキャンプサイトが評価されやすい傾向があります。
写真だけを見れば、空間が作り込まれている方が印象に残ります。
何も置かれていない簡単なキャンプサイトより、ランタン、ラック、ラグ、食器が並んでいる方が、投稿としては華やかです。
しかし、SNSで評価されるキャンプと、本人が快適に過ごせるキャンプは同じではありません。
写真を見る人は、設営の時間を知りません。
荷物を積み込んだ苦労も分かりません。
撤収時の雨や泥も見えません。
帰宅後に何時間乾燥させたかも知りません。
完成した一枚だけを見て、「おしゃれ」「理想的」と評価します。
その評価を基準にすると、現地での快適さより、写真の完成度を優先するようになります。
新しい道具を買う理由も、「必要だから」ではなく、「今の写真では寂しいから」になります。
こうして道具が増え、キャンプの準備が大変になります。
本当に自分が楽しめているなら問題ありません。
設営や装飾そのものが好きで、道具を並べる時間が趣味なのであれば、写真用の道具にも意味があります。
しかし、他人の投稿を見て焦り、自分のキャンプも同じようにしなければならないと考えているなら、一度立ち止まる必要があります。
キャンプサイトは、誰かに評価してもらう展示会ではありません。
椅子に座って落ち着ける。
食事を安全に作れる。
雨や寒さを避けられる。
夜に眠れる。
撤収して無事に帰れる。
この基本が満たされていれば、道具が少なくても立派なキャンプです。
SNSへ投稿しなくても、その時間の価値は変わりません。
むしろ、写真を撮らなかった場面の方が、後から強く記憶に残ることもあります。
まとめ
キャンプで一番いらない道具は、写真を撮る瞬間にしか役割を持たない道具かもしれません。
おしゃれなラック、ランタン、ラグ、食器、小物は、キャンプサイトを華やかに見せます。
しかし、それらは自動的に現地へ現れるわけではありません。
車へ積み、運び、設営し、汚れを気にし、撤収し、帰宅後に洗って保管する必要があります。
写真の中では数秒間活躍する道具に、現実では多くの時間を使っています。
道具が増えるほど、設営と撤収は長くなります。
自然を楽しみに来たのに、配置と撮影に追われることもあります。
休むためのキャンプが、撮影セットを完成させる作業へ変わってしまえば、本来の目的を見失います。
もちろん、おしゃれなキャンプを楽しむことが悪いわけではありません。
装飾や撮影そのものが趣味であれば、それも一つの楽しみ方です。
しかし、SNSで見た写真を再現するためだけに道具を増やしているなら、本当に自分が必要としているのかを考えるべきです。
キャンプ用品を買う前には、写真の中でどう見えるかではなく、撤収時に持って帰りたいと思えるかを想像してください。
一つで複数の役割を持つ。
汚れても扱いやすい。
小さく収納できる。
家や防災でも使える。
このような道具の方が、長く役立ちます。
キャンプは、道具を見せるための場所ではありません。
道具を使って、自然の中で自分の時間を過ごす場所です。
写真を撮るためだけの道具を減らすと、荷物だけでなく、設営、撤収、管理、他人の評価を気にする時間まで減らせます。
その分だけ、景色を見たり、火を眺めたり、何もしない時間を増やせるのです。